SPRING COLLECTION “拾玖丿零参”

蜘蛛の巣柄×USED加工×麻の小袖

背中に 大きく蜘蛛の巣の柄を広げた麻の小袖。  蜘蛛が下りている様子の柄も左胸にあります。 素材の麻には、柄入れ前に USED加工を施しています。 白い顔料が落ちると 下地の麻のブルーが覗くので、USED感が際立つのです。 ひび割れたように見え、蜘蛛の巣の絵柄との相性も抜群。 USED感と 蜘蛛の巣の絵柄に 麻特有のシワ感も合わせ、３拍子が揃った演出は、何とも危うげな印象すら醸し出しています。
すっきりとしたシルエットを追求するため特許技術を盛り込んだ小袖なので、柄入れ作業を仕立ての工程に差し込むことになり、加工の流れは複雑です。 職人たちの間を行き来しながら、繰り返し手が加えられて、迫力ある柄が独特な風合いの生地に納まっていくのです。
着始める時点から すでに着倒したような雰囲気と、大胆な絵柄の男らしさが漂いますが、奥深い上品さが隠れていて、わざとらしさを感じさせません。

さらに【したたり】レーベルのデニム素材の袴を組み合わせました。 【浮世しのぎ】の小袖の骨太で古風な印象を ややモダンな方向へと和らげています。 このカモフラ模様は、紋織りジャカードのデニムを藍染めしたもので、程よいグラデーションに仕上がっています。 小袖、袴ともに、使い込んでいくことで味わいも増すので、着れば着るほど、馴染んでいくことでしょう。