SPRING COLLECTION “拾玖丿零壱”

仁王柄×USED加工×麻の小袖

【浮世しのぎ】の小袖が、今コレクションから登場しました。その中から、背中に大きく仁王の柄を入れた麻の小袖を ご紹介します。 左胸にも仁王の柄を配置し、それぞれの仁王は 阿と吽で、対の柄になっています。 もちろん、単純な絵柄入りの麻小袖ではなく、素材の麻には、柄入れ前に 白の顔料を使ったUSED加工を施しています。 顔料が落とされた部分からは下地である生成りの麻の色が覗いて、麻特有のシワ感も相まって、迫力ある風合いを生み出しているのです。 特許技術により設計された小袖は、反物のように一括で染色できないので、染め→裁断→USED加工→染め→仕立て…と 様々な職人たちの間を何度も行き来します。 繰り返し手が加えられた力強い風合いは、墨絵調の仁王の擦れたタッチの柄と相性よく、清浄で古風な印象にまとまっています。
ちなみに【浮世しのぎ】では、和服の正面は後ろ姿であるとの想いから、後ろ姿の美しさに重点を置き、製作しています。 それゆえ、背中に大きな柄を配した小袖は【浮世しのぎ】の 必須アイテムなのです。
最後は袴について。 【浮世しのぎ】の小袖が、無骨さを強く漂わせるので 古風な印象に偏り過ぎないよう、【したたり】レーベルの袴をコーディネートすることで、こなれた雰囲気へと解放しました。 素材は、紋織りジャカードのデニムで、白地にグレーで千鳥格子柄が織り上げられています。 小袖の雰囲気に逆らうことなしに、モダンな軽快さを呼び込んでくれるでしょう。
小袖、袴ともに、使い込んでいくことで味わいが増していく素材なので、自分らしく馴染んだ着こなしが楽しめるコーディネートです。