いつも『FOUR SEASONS ~滴や 装い拓き~』の【和次元・滴や】コレクションを ご覧いただき 誠にありがとうございます。

今回の夏コレクションも、特殊な装飾技術の数々で趣向を凝らしました。特に、鮮やかな色使いと 勢いのある柄ゆきに こだわり、染色や織りの技術を駆使した前衛的なアイテムで編成しています。

それぞれのアイテムには、メッシュや シボのある生地といった涼しさを実感し演出できる薄い素材、麻を混紡したり シースルー素材を織り込んだ 透け感のある軽い生地などを多用し、涼感にあふれた幻想的なコレクションになっております。

どのアイテムにも、色柄を効果的に配置した丁寧な縫製に加え、精巧な装飾の細工で、その印象を より際立たせました。さらに、いずれも扱いやすい素材ばかりなので、気軽に着回せることでしょう。

現在の世界情勢により、どうしても窮屈になりがちな生活が続いておりますので、少しでもユーザーの内面的な美しさを引き出せればと考え、鮮やかな色や涼しげな風合いを有効活用して「清心のコレクション」を意図しつつ製作しました。

【和次元・滴や】は、「次世代型サムライスタイル」を標榜してきました。現在のような世界情勢を目の当たりにしますと、サムライから学ぶことは多い…と、つくづく思うのです。

初めて武家政権が生まれた鎌倉時代のサムライの本分を現した言葉が「一所懸命」です。主君から授かった一ヶ所の領地(一所)を命がけで守ることが、言葉の由来の1つです。 後に、転封などサムライの配置替えが行われるようになると「御家大事」へと変化してきますが、その本質は同じでしょう。 サムライは、任地を守ること、氏族を守ることに、ひたすら命を懸けてきたのです。

これを、核家族化が進んだ現代に当て嵌めるなら、“家族と大切な人を守ることに集中する”ということになるのでしょう。

日本は、治安が良く安全な国だと世界に評価されていますが、実は 自然災害の多い危険な国です。日本の国土面積は全世界のたった0.25%です。 しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.8%が日本で発生し、全世界の活火山の7.0%、全世界の災害被害額の18.3%と、世界全体に占める日本の災害発生割合は非常に高いそうです(内閣府公報より)。 もちろん 地震や噴火以外にも、洪水・津波・台風・土砂崩れと、日本での災害は 枚挙にいとまがありません。このように、日本は、この狭い国土に、世界の災害の多くを引き受けているのです。 巨大な地震や噴火は、数百年を周期として必ず起こるものなので、逃れることは出来ません。古より、この列島の人々は、度重なる災害と向き合いながら、家族を守り、その都度 壊れた家屋や田畑を建て直しながら、慎ましく暮らしてきたのです。 「一所懸命」という言葉には、自然に対して、正しく畏れ、敬って生きてきた祖先への感謝の念も、含まれているのでしょう。

現在、内閣府のウェブサイトでは 日本海溝千島海溝周辺地震・首都直下地震・南海トラフ地震という3方面の地震や、富士山噴火への警戒を呼びかけています。 どれも、10年前の東日本大震災を上回る規模の被害想定だと予測されており、それらの発生時期が 周期的に重なってしまっているようです。 我々は、コロナ禍ばかりに翻弄されいる現状に在りますが、今後 次々と襲ってくるであろう自然災害にこそ、覚悟を持って備えなければなりません。

般若心経に「色即是空」と「空即是色」という言葉があります。この2つの対句は、“あらゆるものが 実体の無い“空”だと知ることで、人間の煩悩や妄想を取り除き、その執着のない目で見れば、あらゆるものが それぞれの働きをもって生き生きと現象し始める” という教えです。 是非、この教えを サムライの「一所懸命」の観点に立って、解釈して欲しいと思います。我々人類の命・魂は、政府やワクチン等に守られるために存在しているのでしょうか? 神仏の救済を待つだけの存在なのでしょうか?「一所懸命」の言葉に従えば、逆です。 我々自分自身こそが、救済者であり、家族と大切な人を守るために 天から遣わされた魂なのです。自分が救われたいとばかり考えるから、心が騒ぐのでしょう。物事への執着を捨て、“家族と大切な人を守る”という一点に集中すれば、備えとして、するべき事が明確になり、覚悟も決まることでしょう。

災害発生の周期は、自然の摂理なので、近い将来 必ず起こるでしょう。災害からは、家族を連れ 避難すれば良いのです。家屋や会社が崩れても、建て直せば良いだけのこと。まずは、目の前の命を守ることに集中しましょう。 すべての人々が、自身の責務を全う出来れば、どこにも不幸は起こらず、また“空”の状態へと戻ります。ただ災害後に仕事が増えているだけのことです。祖先たち、サムライたちも皆、そうして命を繋いできてくれたのだと思います。

今回のコレクションは、前衛的なアイテムを詰め込んだラインナップとなっています。鮮やかな色と キレのある柄を 有効に配して、創造的に仕上げました。 ユーザーの家族や大切な人が はぐれないように… 天上界の神仏にも ユーザーが見えるように…との思いを、勝手に込めています。 何より、これら《Hakama-Shiki/袴式和服》が、日々の生活における一服の清涼剤となれば 嬉しい限りです。 皆様と、皆様のご家族や大切な人々に、平穏な日々が戻りますよう お祈りしております。

和次元 滴や    装造師 宗裕