Apr
02
2019

SPRING COLLECTION “拾玖丿零漆”

仁王柄×片身替え×麻の小袖

左胸に浮かぶ 仁王(吽形)の柄にも目を惹かれる麻の小袖は、やや濁りのある小豆色が印象的です。 赤飯の例にもあるように、小豆には魔除け的な縁起の良さがあり、小豆色は男性にも好まれる色です。 今の季節であれば、この消し炭色の袴との組み合わせで、小豆色を桜に見立てて、薄墨桜コーディネートとするのも粋な演出と言えるでしょう。
さらに、和服の後ろ姿の美しさに重点を置いた【浮世しのぎ】の小袖なので、当然 背中には大きな仁王(阿形)の柄を入れています。 グレーの擦れたタッチに染められた仁王の絵柄が、素朴な小豆色に広がる様は寂びた雰囲気を醸し、静かな上品さがあります。 ベースである小豆色の生地も、一見 無地に見えますが、その左右で織り方の異なる麻生地を同色に染めて、片身替えに仕立てています。 ともに無骨な風合いなので分かりにくいですが、表面に凹凸感のあるざっくりとした麻織物と、縦筋の織紋様が走る織りの麻織物を組み合わせ、手の込んだシャレ心が気づかれぬように隠されているのです。 所々に透け感を見せている通り、夏まで着られる単衣仕立てで、すっきりとしたシルエットを追求した特許の小袖なので、職人たちの間を行き来しつつ 繰り返し加工されるため、受注生産となります。 迫力ある背中の絵柄も、品良く まとめられて、古風な息吹を感じさせる小袖へと仕上がるのです。
一方、消し炭色の袴も、ただの無地のように見えますが、表面には樹脂コーティングを施しています。 素材はベーシックなデニムですが、樹脂の うっすらとした光沢を纏うことで、地味になり過ぎません。 この【したたり】袴との組み合わせにより、コーディネート全体をも 古めかしさから解放する作用が働いています。 今回の組み合わせに限らず、様々なコーディネートが出来る袴でもあります。
小袖自体の優しい色目も、グレーの迫力ある仁王の柄と艶のある消し炭色の袴に引き立てられ、気負うことなく自然に着こなせるはずです。 上下ともに、着れば着るほど 味わいを増し 馴染んでくるので、育てがいのあるコーディネートと言えるでしょう。
今コレクションでは、無地の小袖は発表してません。 そこで、この小豆色の片身替えの麻は、無地の小袖を若干ご用意しています。(ただし オンラインショップには未掲載)

【浮世しのぎ 小袖】
No.ROB0004
Material麻 100%
Size七〇(M),七三(L),七七(2L)
※すべて受注生産
Price90000
  ONLINE SHOP
【したたり 袴】
No.IIA0913
Material綿 100%
Size八五(33),八九(35),九二(36),九五(37),九九(39)
※すべて受注生産
Price40000
  ONLINE SHOP
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